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有限会社舩越造園

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施工事例(進捗状況)

作業現場見せますの記事

現場進捗日誌 湖西市A様5

玄関前付近の庭を今回は報告します。

湖西市A様5

簡易トイレが据えてあるこのエリアに、敷地の奥へと入っていける通路兼坪庭を作庭していきます。

ポイントになるのは、1年前に苦労して掘り上げた大きなイヌマキです。これを、この庭で使用することが、お施主様の要望になりますので、イヌマキのサイズにしては植え込む庭スペースが狭いのでとても難しいのですが、しっかりと納めて、なおかつ庭として自然な感じに仕上げられればと思います。

湖西市A様5

まずは職人と構想のすり合わせです。最近ではiPadなど気軽に写真にドローイングできる機械が(機械てw)あるので、私の中にある構想を共有するのがとっても楽になりました。「舩越さんにお任せする」と言われた場合は、共有するための何がしかの絵は書くのですが、緻密な図面も作りませんし、現場の状況でどんどんアレンジしていくのが通常なので、こういう現場での職人とのすり合わせは欠かせません。

さあ、いよいよ大物の植え込み開始です。

  • 湖西市A様5
  • 湖西市A様5

元々「門かぶり」という1本の枝が門のように通路にかぶさっている仕立てのイヌマキでしたので、この細い通路でどう使うか、かなり悩みました。何とか枝を活かしたかったのですが、物理的なサイズを無視することは魔法でも使えない限りできません。何とか家の中からは枝振りを鑑賞できる雰囲気に持って行ける場所に据えることができました。

掃き出し窓のような目立つ場所ではありませんが、窓を開けるとイヌマキの枝が見える趣向になっています。

植え込みは、極力高く植えるようにしました。なぜかというと、奥に向かっていく通路のスペースはしっかり確保しなければならず、そのためには枝ぶりが邪魔になるからなんですね。これも限られたスペースで限界ギリギリ、何とか導線を確保することができたかと思います。

  • 湖西市A様5
  • 湖西市A様5

奥へと向かっていく飛び石と垣根の配置です。「飛び石」とは、平らな面を持つ石を連続して据え、その上をぴょんぴょん飛ぶように歩いていく日本庭園ではポピュラーな通路になります。
足の地面に接する部分を通行人に選んでもらうのではなく、作庭する側が「ここを踏んで歩いてください」と指定するんですね。なかなかこんな考え方の通路は無いかもしれません。

もっとも、そうやって足を踏みしめる場所を指定するからには、どうやって石を配置するかはとても重要な決定事項になります。広すぎてもダメ、狭すぎてもダメ。人は右足左足と幅がありますので、真っ直ぐ石を配置しても歩きにくい。使う人のシチュエーションも考慮しつつ、配置していきます。この辺、職人の腕の見せ所なんですね。庭を設計した者の意図を汲んで、与えられた材料で最高の仕上げに着地させる。なかなか一朝一夕にできる事ではありません。造園を行う職人としてセンスがあるか?それとも庭造りはちょっと難しいかなと思われてしまうか?庭造りを学びたい若手にとっては、プレッシャーな仕事になるんじゃないかなと思います。

これで色々と難しい場面は乗り越えました。次回は、いよいよこの坪庭の仕上げに入っていきたいと思います。

現場進捗日誌 湖西市A様4

大きな構造物が据え終わったら、地面の植栽や砂利敷きなどを行なっていきます。
玄関側から見ると、この坪庭はかなり低い位置にあるので、玄関に立った時には地面は見えない状態です。
ですので、実際に家に上がって部屋へ通されるその一瞬、お客様が目をやれば庭の地面が見える状態になりますからあまり奇抜にせずあっさりと仕上げようと思いました。

湖西市A様4

湖西市A様4

まずは地割り。タマリュウという地被類と砂利敷の境目を描きます。
ここで庭の大部分が決まると言っても過言ではないので、慎重にかつ大胆に?決めていきます。その際、作庭を担当している職人とも話したりします。

湖西市A様4

湖西市A様4

次に砂利敷きエリアに雑草を防止する棒草シートを貼っていきます。
特に隅の方は念入りに。裾を立ち上げるくらいの余裕を持たせて施工しています。
目に見えない部分なので、あっさり仕上げようと思えば簡単な話なのでしょうけれど、目に見えない部分だからこそ、何かの拍子にお施主様に見えてしまった時の印象が違うと思うのです。手は抜けません。

湖西市A様4

湖西市A様4

タマリュウと白川砂利のコントラストが美しい、とっても分かりやすい和風の坪庭、これにて完成です。
垣根から奥、裏の部分はもう少し手間が加わるので砂利敷きは一旦保留してあります。

立木は元々お施主様のお宅に植えてあったサザンカです。
木に関しては一年前に掘り取って会社の畑に仮植えしてあったものをしっかり使って作庭しました。

玄関をガラリと開けると、手前の大津垣と奥の大和塀が交差するように見え、隣家の駐車場を目隠ししつつ、奥行き感を出します。

玄関を上がってふと坪庭に目を落とすと、砂利とタマリュウの坪庭。
植栽が育ちにくい環境につき、サザンカの育成も少し不安なのですが、そこは毎日の水やりを欠かさず行なっていただくとして、比較的メンテナンスのしやすい庭に仕上げることができました。

住宅の雰囲気とぴったり合わせることができたんじゃないかと思います。
とかくこういうシチュエーションの坪庭は奇抜さを狙ってしまいがちですが、ストレートに表現できたのも、お施主様のご要望を汲みつつ作業できたことが大きいんじゃないかと感じています。

やはり、こういう庭造りは、どこかのハウスメーカーの下請けでは味わえない仕事なのかなと思いますし、20年前に「メーカーの下請けに回って作庭数を伸ばすか?」「作庭数は少ないけれどお施主様直接注文にこだわってきめ細かく作庭するか?」の選択を迫られた時に選んだ道は間違っていなかったのかもなと思います。

もっとも、建築会社様のご紹介で直接庭づくりをさせていただくという機会も結構あるので、もしご覧の建築会社様がいらっしゃれば、ご相談ください。

次は玄関前エリアの作庭に移っていきます。

現場進捗日誌 湖西市A様3

さあ、建築も終了しまして一年越しに造園工事の再開となりました。

湖西市A様3

土間コンクリートや金物のフェンスなどは建築の方が手配されていまして、今回は当社での出番は無し。もちろん、様々なお付き合いなどありますし、お客さまであるお施主さんが信頼されている方に仕事をおまかせされるのが一番だと私も強く感じています。

もっとも、土間コンクリートや金物フェンスが苦手だからという訳ではなく、むしろ当社では専門職の方と一緒に仕事をしているので、年季の入った仕上がりにする事が可能です。ただ、先程のような理由もありますので、植木や庭石、竹を使った工作物など坪庭スペースのオーダーだけでもご満足頂けるものにするよう心がけています。

今回は、こちらの坪庭スペースです。

湖西市A様3

玄関を開けると最初に飛び込んでくる、まさにご自宅の顔になるスペース。
どのように表現していくか楽しみな場所でした。

奥行きはあまりなく、しかも隣家の生活感が見えてしまうスペースですので、目隠し効果を狙いながら奥行きのなさを感じさせないレイアウトを考えました。

湖西市A様3

まずは(玄関側から見て)奥の部分に垣根を建てます。渋いスペースにしたかったのと、行き着くにも狭いスペースを通るのでメンテナンスの頻度を下げたかったこともあり、奥の垣根は板塀としました。

湖西市A様3

焼いた板と晒し竹という材料を交互にリズムよくつけていく塀で、一般的に大和塀と呼んでいます。

湖西市A様3

手前側には塩化ビニール製ではありますが、大津垣という竹を編んだような垣根を設置しました。
見た目にもちょっと珍しいので目をひきますから、玄関に入ってきたお客様の視線をまずは坪庭に向かわせる効果を出すことができ、いきなり生活感が視界に飛び込んでこないような仕掛けにしています。

湖西市A様3

手前にある大津垣と奥に見える大和塀を違い違いに設置することで、感じにくい奥行きを少しでも感じられるようにしました。
からくりは、たがい違いになった垣根と塀の隙間が一定スペース空いたまま視界から消えることで、見たものがその先を想像し、より実際は無いスペースを感じ取ってもらうという仕掛けです。

大きな構造物はここまでになります。
次回はいよいよこの庭の仕上げ作業に入っていきます。

現場進捗日誌 湖西市A様2

前回、庭木を掘るには、なかなか骨が折れるぞと覚悟を決めて移植作業に取り掛からなければいけないぞと言いました現場、いよいよ実際に庭木を掘り取ります。

建物の奥にある庭木から。
こちらは重機の入る隙間もなく、人1人が横向きになってようやく通れる隙間しかないので全て人力のみでの掘り取りです。

  • 湖西市A様2
  • 湖西市A様2

長らく庭に定着していた庭木ですので、細かい根っこがまんべんなく残っているわけもなく、ズン!ズン!と太い根っこを強引に切断して掘り取っていくしかありません。
太い根っこというのは、木全体の養分吸収の大部分を支えている場合が多いので、このままでは枯れてしまう可能性が高いです。

そこで、養分吸収を行う根っこの量とバランスをとるように地上部である枝葉の量も剪定によって減らします。
太い根っこがあってそれを切ってしまった場合は、その根っこに水分や養分の吸収量の大半を依存している可能性も高いので、より多くの枝葉を切除する必要が出てきます。
これでもか!というくらいに枝葉の剪定を行いました。

湖西市A様2

掘り上げた植木です。
根っこがきれいな円になっておらず、いびつな輪郭をしているのは、太い根っこに水分や養分の吸収を頼っている証。何とか根付かせたいですね・・・

湖西市A様2

すっかり掘り取りも終わって何だか広く感じる裏庭です。
ここで様々な家族ドラマが繰り広げられたのでしょうねぇ・・・などと感慨に浸っている場合ではありません。庭木を持ち出す通路も非常に細かったのですが、幸か不幸か根っこの状態も良くなくて大きな根鉢ではなかったので、何とか人力で持ち出すことができました。

湖西市A様2

懸案だった玄関前の大きなイヌマキの木ですが、どうせ解体するならとお施主様の承諾を得て、キツキツに植わっていた場所の縁ブロックごと破壊して庭木を取り出すことができました。このブロックを割るのにも一苦労。ようやく手にもてるくらいに重たい削岩機をガンガン動かし、横からもガガガガと割っていきながらなんとか作業スペースを確保しました。この縁ブロックを残せと言われたら、降参していたかもしれません(笑)
根っこの形はこちらの木も非常にいびつになっていて、ちょっと根付くかどうか微妙な感じではありますが、何とか根付かせたいです。

これで既存樹木の取り出しが全て終わりました。掘った庭木は一旦弊社の植木畑にてお預かりし、この作業は一旦ここまでで区切りとなります。
このあと、建物の解体、敷地の造成、新しい家の建築を経て約1年越しに庭造りに入っていくことになります。

現場進捗日誌 湖西市A様1

もう何年前なのでしょうか?私も舩越造園に入社して四半世紀が経つのですが、それよりも前に舩越造園が施工した袖垣根をずっと気に入ってくれていた方が、住宅を新築されるという事で、庭造りをご依頼してくださいました。

 

もう何と言いますか、庭屋冥利に尽きるといいますか、逆にその当時に第一線で活躍していた庭師たちと、今現在において舩越造園で活躍してくれている庭師たちとの真剣勝負という所でしょうか?それは取りも直さず、当時社長だった先代と私との勝負でもあります。

これはもう、気持ちが引き締まります。

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まずは四半世紀の永きにわたって気に入ってくれていた袖垣根のリサーチです。

欠き込んだ柱の天端に屋根型を打ち付け、ヌキ板で屋根を作る。見まごう事なき、舩越造園の仕事です。黒穂(だと思うのですが判別できず・・・)の束を多用した垣根のようです。

今回も袖垣根はリクエストに入っているので、気合が入りますね。

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活かしたい庭木はいくつかありましたが、このイヌマキが一番の難題になると思われます。

既に立派に成長している庭木なのですが、ブロック塀に近く根っこが塀と干渉していることが明白です。これを掘り取るのは容易ではありませんが、お施主様が「活かして欲しい」とご要望されている限り、可能性は探っていきます。

幸い、ブロック塀も取り壊し予定だったので、住宅の解体前に当社が作業できるならば、既存のブロック塀を取り壊しながら庭木を掘り取ることも可能になってきます。

削岩機で横からブロックを壊しつつ可能な限りバックホウで根っこ周辺を掘り、難易度は高いですが頑張って掘り取りたいと思います。

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また、既存庭の中にも新たな庭に活かしたい庭木があり、運び出すための通路がこれまた狭くて、ここをどう通過させるか?という所にもアイディアを出していかなければいけませんね。

 

こちらの仕事は、ある程度の予算感と構想を伝えてあとは庭屋さん任せという仕事になりました。

「ラッキー」なんてとても思えません・・・責任重大です・・・逆に図面と見積もりを出させてもらえる方が、気持ち的に楽です。

 

しかし、このような「ある程度庭屋さんに任せるよ!」という仕事も当社ではじわじわ増えつつあるのも事実で、当社の仕事を信頼して庭造りを注文して頂ける、本来ならば理想に近い庭造りができる予兆は感じています。

 

もっとも、先ほど言ったように、そのお任せ造園の規模が大きければ大きいほど、責任の重さも大きくて一歩引きたくなるのも事実なのですが、そういう信頼に応えようという使命感もまた不思議と強くなるので、「お任せ造園」ぜひご依頼をお願いします(笑)

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