2026年07月24日
玄関へ向かうアプローチの次は、庭の中へと入っていくための通路です。
距離が長くなるので、途中の中継点を挟んで、パターンを変えた通路にする事にしました。

中継点まで、御影の棒石を下駄のように並べていきます。これが通路のメインです。
目立つ白御影を等間隔で並べる事で、奥へと続いている事を暗にお知らせします。

御影棒石の枠から概ねハミ出さないよう、川石を入れていきます。
川石は丸みを帯びた尖りの無い石で、目が詰まっていて比重も重いのが特徴です。
一石で平らな面を出すのは難しいのですが、何石か並べる事で、平面を演出できます。
同じくらいのサイズを使いながらも、御影石に沿っている部分とそうでない部分と、形状を変えながら使っていることにお気づきでしょうか?
こういう細かい気遣いが、通路の見た目を一段良くし、その積み重ねが庭の見た目を非常に良くするのです。

川石は底面もまた丸みを帯びていて非常に不安定な石なので、その安定性を高めるために、そして無駄な雑草が生えるのを抑えるために、土舗装という薬品と水で土を固める製品を使って、固定しておきます。
実はこの仕事、最終的には全く見えなくなります。
全然見栄えのしない仕事なのですが、手を抜かないのが庭職人ですよね。
お陰で見積金額が相対的に高くなり、価格競争ではいつも負けてしまいます・・・
当社の仕事を信頼してくれるお施主だからこそ、その期待に応えたいという職人の気概が共鳴して、良い仕事になるんだなと痛感します。

通路脇をタマリュウという地被植物で固めます。
これで、通路にメリハリも出ますね。
庭造りで案外難しいのが、この輪郭線です。
全く違う物質が隣り合うので、その境目は自然でありつつ明確でなければいけません。
設計時のポイントかなと感じる部分です。

砂利を敷けば・・・延段(のべだん)の完成です。
延段というのは点々と歩く場所のみを舗装する飛石と違って、面で通路を確保する造園用語で、使う素材やパターンなど様々なものがあります。
加工されていない石だけで構成された「草(そう)」逆にきれいに加工された石だけで構成された「真(しん)」その中間の「行(ぎょう)」の延段は、加工された御影棒石と丸い川石で構成されているため、行の延段ということになります。
丸みを帯びた石だけに、その歩きやすさと見た目のバランスは非常に難しく、簡単そうに見えて、実は年季の入った仕事です。
次回は、この最後の写真にチラ見えしているこの先の通路についてお話ししたいと思います。
2026年06月26日

今回は敷地外から玄関へとつなぐアプローチ代わりの飛石についてです。
まず大前提として、玄関へ向かう(または玄関から外へ向かう)道筋は、ゆったりとしていて歩きやすい事が前提である、というのが私の中での決定事項です。
何故かと言いますと、屋外←→玄関の道筋は、家族以外の人も大いに利用する「不特定多数が使う通路」だからです。
慣れない道筋で踏み石が小さかったり、トリッキーなリズムだったり、段差が微妙にあったりすると、それだけで歩きにくい通路になってしまいます。
人を迎え入れる通路だからこそ、歩きやすさを強調したいですよね。

まずはピンコロ舗装から庭内に入っていく最初の石を選びます。
正方形のテクスチャを持つピンコロ舗装と、極力違和感が出ないような素直に「ここが入り口ですよー!」とアフォードするような、そんな石を選びました。

通路の石も、まずは会社の土場でシュミレーションです。
石と石の隙間を極力狭く、しかしそれぞれが独立した石であると主張する程度の幅で、隙間が広がったり狭まったりせずできるだけ平行になるようなものをチョイスします。

色々試しながら最終的な石の配置を決めます。
今回は、手前のピンコロから玄関ポーチ前の御影板石まで、四角形をテーマに石を選びました。シミュレーションが無駄になる事も、まあご愛敬です(笑)


玄関側から見た飛石のパターンです。
真っ直ぐ、一本調子で歩ける、歩きやすさを重視しながらも、遊んでいるところもシッカリあって、単調な歩調リズムを見た目では感じさせない、良い飛石になりました。
ウチの職人ながら素晴らしいです(笑)
デザインの意図を汲んでくれる頼もしい仲間に恵まれました。
彼が引退したら、私ももう庭造りのデザインなどはやらなくなるかもしれませんね。
イライラしながら細かい指示を出すのは好きではありませんし、自己主張の強い自称ベテラン職人と重箱の隅をつつき合うのも疲れます。
楽しく良いものを作りたいですよね。


さあ、ここまできましたら次は庭の中へと分け入っていく通路の作庭です。
途中、入り口と同じ石を挟みながら、パターンを変えて面白く、違和感の無い通路にしたいですね。
それはまた次回にしたいと思います。
2025年11月25日
引き続きM様邸の造園工事です。
今回は敷地への入口であるスロープ部分を取り上げます。
お客様のご要望もあって、こちらはピンコロ舗装となりました。
ピンコロ舗装とは、正方形状に加工された小型の石材(一般的に御影石など)を、ひとつひとつ敷き詰めて仕上げる舗装方法です。
石のサイズは約90mm角が主流で、自然な風合いや高級感、耐久性に優れ、車両の通行にも耐えられます。
庭やアプローチ、駐車場などでよく用いられ、目地の取り方や色の組み合わせにより多彩なデザイン表現が可能です。
自然素材ゆえに経年変化も味わいとなり、景観調和に優れた舗装手法です。

まずはシッカリ基礎コンクリートを打ちます。
ここで手を抜くと、仕上がった瞬間はきれいでも出入りする車両の重みで次第に凹凸ができて、目地が割れ、みすぼらしい結果になってしまいますので。ピンコロで根本的な強度を出すのではなく、テクスチャに使うくらいの気持ちで手堅く施工します。

一度列とパターンを決めたらそのまま並べ続け・・・という単純な話にはならないんですね。
真っ直ぐ並べているつもりでも、何故か曲がる。波を打つ。ですので、シッカリ基準を出しつつ、個々のピンコロの微妙なサイズの違いを意識しつつ目地を調整して並べていきます。
現場の数字上で真っ直ぐではなく、見た感じ真っ直ぐ。
これがキレイに仕上げるポイントだなと感じます。

並べ終えたピンコロとピンコロの隙間(目地)に更にモルタルを詰めていきます。
これも大切なポイントで、ピンコロは自然石なのでその性質上、側面の中央が孕んでいたりします。
そうなると、モルタルがしっかり目地の最深部まで入り切っていない事もあったりして、強度に多大な影響を与えてしまいます。
そうならないように、慎重にかつ早く目地を埋める事が肝要です。

ピンコロ舗装の完成です。
いくら下地にコンクリートを打ったとはいえ、やはり養生期間が必要ですので、しばらく車両の乗り入れは遠慮して頂きました。
じゃあ半分づつやって車両が入れるようにしたら?というご意見も頂きますが、右と左を繋ぐ接合部分はどうしても弱くなってしまいますし、左右2期に分ければ、それだけ準備と片付けの経費は倍掛かる事になるので、本当にやむを得ない事情が無い限り、一度の施工してしまう事をお勧めします。


養生も終わって、雨も上がって、これで完成です。
細かい仕事は見た目の力強さが違いますね。
コンクリートの土間打ちとは一線を画していると思います。
頑張って並べた甲斐が有りました。
職人の皆さん、お疲れさまでした。
2025年11月03日
さあ、報告ブログの時間が空いてしまいましたが、進捗の報告ブログを更新します。

お庭と駐車場を仕切る塀は施主サイドで施工して頂く事になり、当社ではその塀を挟んだ庭の中と広い駐車場の施工を行なう事になりました。
駐車場でのご要望は、コンクリート全面はしたくない。草が生えない(生えにくい)状態にはしたい。というご要望でしたので、ハニカム構造の突起がある砂利敷きシートをご提案しました。

何枚かが1つの塊に梱包されていて、2人いれば1塊を持ち上げて移動させる事が可能です。なんなら、この4塊を一度に持ち上げられる猛者もいます(笑)
これを平らに均した地面に敷き詰めていき、その上から砂利を敷いていく訳です。

こんな感じです。
このハニカム構造(ハチの巣構造)の中に砂利が入り込む事で、砂利が車の重みで左右へ逃げたりワダチを作ったりしない、強い面を作る事ができるのです。
普通車が乗るのは勿論、3tダンプ程度なら耐えられる事が、当社のモデル庭園で実証済みです。

今回はシッカリと砕石で路盤を作り、その上にハニカムシートを載せ、砂利を敷くという手堅い施工方法を採りました。
これであれば、長きにわたって強い盤を維持できつつ、草の生えにくい状況であり、コンクリートを打設していないので排水もそれほど気にせずにこれから過ごして頂けるでしょう。

庭との仕切りより少しはみ出して施工しました。
仕切り塀の柱で区切ってしまうと管理が大変なので、庭は柱よりも少し遠慮した位置までとして、今後の維持管理のしやすさを重視です。
では、次は駐車場の入口に施工したピンコロ舗装です。