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有限会社舩越造園

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施工事例(進捗状況)

現場進捗日誌 浜松市中区S様4

今回は庭門や塀について書きたいと思います。

造園工は多能工と言われますが(多能工なのは庭屋だけじゃないぞ!って?まあそうおっしゃらず・・・)様々なスキルを駆使して庭づくりを行っています。

植物の剪定や病害虫、掘ったり植えたり、石を積んだり並べたり、時に芸術的に。
竹を切ったり割ったり結んだり、大工みたいなことだってやったりします。

庭門と塀は木工がメインの仕事です。

浜松市中区S様4

雨の日なんかを利用して、新しいモノを試してみたりします。
今回、お庭で採用した塀の試作段階です。まあ色々と見えちゃってますが、試作という事でご勘弁を。

浜松市中区S様4

現場の石工事が概ね終わったら、塀の位置を決めていきます。
ここで図面通りに狂いなく・・・というのは設計者のエゴです。
現場に上手く馴染むように現地でしっかり位置出しを行って決めなければいけません。
コンベックス(メジャーですね)がいつも大活躍します!

浜松市中区S様4

位置が決まったら柱を埋けて、胴縁も渡します。
これでおおよそ塀の良し悪しが分かりますね。引き返すなら今ですが今回は上手く決まりました。

浜松市中区S様4

板を貼っていきます。
ここまでくるとTHE塀!という感じも出てきますね。
良いテクスチャになっていると思います。

浜松市中区S様4

塀の屋根部分を製作して完成です。
今回は瓦を使ってみました。
足もとの東栄石積みといぶし銀の瓦が良い感じになったのではないかと思います。

浜松市中区S様4

植栽をあしらって、塀の完成。
塀の面を見せたかったので、割と密にならないドウダンツツジをあしらいました。
ドウダンツツジは特に水を欲しがる植物ですので、水遣りのタイミング目安にも使っていただけます。

ドウダンツツジの根元にはフウチソウ。
ドウダンは枝が上がって足もとが丸見えになってしまいがちなので、フウチソウでボリュームを付けたいと思います。
冬は枯れますのでドウダンに寒肥をやりやすい仕様になっています(笑)

現場進捗日誌 浜松市中区S様3

今回は唯一移植をせずにその場に残したソテツ周りについてお話ししたいと思います。

浜松市中区S様3

ソテツの移植はなかなか作業的に手間が掛かるので、現状の状態で庭に活かしていこうという試みです。とりあえず、第1回目の報告ブログの際にもソテツのみ固定した状態のほぼ白紙から庭のデザインを起こしたので、ひょっとしたらソテツがデザインの軸になったのかもしれません。

浜松市中区S様3

あらかた造成も終わり、ソテツ周りの詳細について決めていかなければいけない時が来ました。
既存の庭石が多くありますので、これを利用して行きたいと思います。
もっとも、ソテツを主役にして庭のシンボルにするというよりも、庭の一部として溶け込ませるような使い方をしたいと思っているので、できるだけ周囲に色々配置していく方針です。

  • 浜松市中区S様3
  • 浜松市中区S様3

今後の方針について職人と現場で打ち合わせ。ここでも大活躍のiPadです。
築山のように盛り上がった頂上から突き出るような形でソテツが植えられていますから、その勢いというか違和感を軽減させるために根元に石組を施工します。

足もとに硬質な石が複数据えられていることで、ソテツの上へ広がる違和感を重量感でつなぎとめるようイメージを伝えました。

  • 浜松市中区S様3
  • 浜松市中区S様3

石を据え終わったところです。石も含めてひとつの「景」を形成したので、ソテツの違和感を緩和できていると思います。ただ、まっすぐ伸びていないので、その違和感だけは強烈に残ってしまいますが、これはどうしようもないですね。他の植栽や添景物などとセットで緩和させたいと思います。

浜松市中区S様3

行の延べ段という石畳と盛り上がっているソテツの足元の土の間の距離が少ないのでピンコロと呼ばれる御影石の角石を土留めに据えました。
これは現場からのアイディアです。いいですね。お任せ造園は、このように施工しながらより良いものを取り入れていけるのでとても好きな施工方法です。(ただ、私と職人との相性もあるので、相性の悪い職人や打っても響かない職人とは絶対やらないですけど・・・)

ちなみに奥に写っている職人は石畳の水平を感じ取っているのであって、決して腕立て伏せをしているのではありませんので、あしからず。(腕立てしている可能性もありますが)

浜松市中区S様3

庭門や灯篭なども入って随分にぎやかになってきました。
恐らく、この写真を見た時に、最初にソテツに目が行った方はほとんど居られないかと思います。馴染むとは、つまりそういう事だと私は感じています。

浜松市中区S様3

さあこれで完成です。
盛り上がっている植え込み位置、斜めになっている樹形、なかなか難儀しましたが庭の「景」として馴染ませることができたのではないかと思います。

今あるものを最大限生かした庭造りは、多彩な業務アイディアの引き出しがある創業60年の舩越造園にお任せください。

現場進捗日誌 浜松市中区S様2

いよいよ庭造りに入っていきます。
今回の現場では,1番最初の段階で最大の難関がやってきました。

  • 浜松市中区S様2
  • 浜松市中区S様2

写真ではうまく伝わらないかも知れませんが、メチャメチャ大きい庭石です・・・お客様の既存庭に鎮座していた時から独特の存在感を放っていたわけですが、いよいよ掘り出してみると・・・現場に入れられる当社のバックホウで何とか動かして所定の位置に置けたわけですが、それ以上の移動はおろか微調整もままならない程になってしまいました。砕いて処分することも頭をよぎりましたが、何とか使って欲しいとのご要望を受けましたので、もうこれは仕方ないですね。今、この場でこの感じで何とか庭に活かして行くしかありません。

浜松市中区S様2

回遊式の庭へ入っていく第一歩の大きな飛び石として機能させる事にしました。
周辺を石積みにして、既存のソテツに高さで違和感が少ないように何とか庭の敷地を上げます。

浜松市中区S様2

途中、大雨が降って庭石が水没するというイベントが発生!
しかし造成途中だったので冷静に雨水処理方法を確立して完璧にクリアしました。

浜松市中区S様2

概ねできてきました。もうあとは植栽の力を使っていい感じの庭に仕立てていくだけです。

浜松市中区S様2

こうなってくればもう完成。
庭へ誘う第一歩の石としての役割を持たせることができました。石の材質も周辺の石とは異なっている石なのですが青みがかった石は、庭の手前にある青砕石が敷き詰められたオープンスペースからのつながりから見れば非常に良くなったのではないでしょうか?

日本最古の造園マニュアルと言われている「作庭記」にも「デカくて動かない石があったらそのまま庭に取り込んで使う方法がないか考えろ」という主旨の記述があります。
今回、お施主様の要望に応える形で、何とかこのデカい庭石に新しい庭での役割を持たせてあげられたのかなと感じています。
立てて埋け込まれ景石として人に見られる役割から、庭へ入っていくその導入部分である第一歩を力強くサポートする役割へ。用途は全く違えど、庭の重要部分を担い続けてくれると感じています。

現場進捗日誌 浜松市中区S様1

新たな造園のご依頼をいただきました。
久しぶりに庭の中を歩いて鑑賞できるタイプの造園依頼になります。

  • 浜松市中区S様1
  • 浜松市中区S様1

今現在も色々と植栽されていますが、今ひとつ気に入らないご様子でして、使えるものは使いつつ、四季折々の変化を楽しめて草花の栽培も楽しめる、そして散策して楽しい庭をご所望でした。

庭の一角にあるソテツの木がとても印象的で、これは移植するには大ごとだし、撤去してしまうには忍びないと言うことで、ソテツをこのまま活かしつつご要望を取り入れる庭の構想を練ることとなりました。

今回は、私が庭のデザインをしていく過程を恥ずかしげもなく公開してみようと思います。

浜松市中区S様1

まずは敷地の図面を起こします。
普段は建物に隣接している場合が多かったり、動かしてはいけないものもあったりしますので、もっと具体的に形がある図面からスタートするのですが、今回は敷地の形、大きさ、そしてソテツの位置。これだけが条件なので、なかなか発想するにも骨が折れることになりそうです(笑)

浜松市中区S様1

で、第2段階がこちらになります。
「なめてんのか」とお叱りを受けそうですが・・・本当に何かを端折っているわけではなく、最初の図面に鉛筆による手書きでガーッと庭を描いていきます。描き始めれば30分くらいなのですが、鉛筆が動き始めるまでに3日くらい掛かっています。お庭のことを薄っすら頭の片隅に置いた状態で普通に日常生活を送り、何かを熟成させます。何が熟成しているのかはわかりません(笑)

全体像が薄っすら浮かび上がってきてから明確な全体像がくることもあれば、とある一角が具体的に浮かんできて、そこから全体に派生することもあります。
色々とあるのでしょうが、私はこのどちらかになります。

浜松市中区S様1

手書きで何となく書いたものは実際のサイズと乖離している場合があります。
例えば飛び石の大きさやピッチ、庭門のサイズ感などはエイヤーと書いているので実際はもっと大きかったり逆に小さかったりします。
ですから、まずが簡易的にCADで図面を引いてみます。サイズはどうなのかな?飛び石の数はどのくらいかな?という感じでリアルなサイズを図に落とし込んでいきます。

ここである程度樹種なども決まるので、どの庭木がどのくらい必要かとか、こんな石がこれくらい必要だなとか、見積の材料になるネタが浮かび上がってきますので、それはそれで見積作業をスタートさせます。

浜松市中区S様1

最後に、パースを描くため&お客様に見せるための平面図を完成させていきます。
ここまでくるとかなり具体的に工法も定まっていますので、見積もりも具体的なものが出来上がってきます。

ご予算と相談したり、微調整を重ねたり、個人的にはあまり楽しくない作業に突入します・・・

浜松市中区S様1

浜松市中区S様1

浜松市中区S様1

パース担当者からキレイな図面が上がってきました。庭の中を実際に歩くイメージを少しでも具体的に持っていただくために、今回はアイソメという平面っぽさもありながら立体図っぽさもある図面もお付けしました。

さあ、GOサインをいただいたので、作庭に入っていきます。細かい修正のご許可はいただいているので、予算の枠組みを意識しながら実際の作庭に合わせてより良い庭づくりをしていきたいと思います。

現場進捗日誌 浜松市天竜区Y様3

いよいよ現場の仕上げ段階に入ってきました。
今回は、今現在植えてあるけれど何だか元気が無いなぁという
植栽に活力を取り戻そうとする試みになります。

浜松市天竜区Y様3

ナンテンですが、何だか今ひとつな感じがしませんか?
撮影時期はゴールデンウィークが明けてすぐの5月上旬。
もっと新芽が力強く出てきても良い筈なのですが、そういう兆候が見られません。
地面に目をやると、何だか湿っぽいです。

浜松市天竜区Y様3

こちらはヒイラギです。
明らかに樹勢が弱いのが見て取れると思います。
地面の状況は・・・こちらは高めに植えてあって根っこに盛られている土に何だか違和感があります。

基本的に樹木の樹勢を決める最大ポイントは土にあります。
団粒構造という「固まりやすいけどほぐれやすい」というワガママボディ(笑)を持った土が最もいい土とされていて、大抵の植物はこの土を好みます。(もちろん、岩肌の裂け目から生えているようなシブカワツツジなんかは例外です。)

団粒構造は、小さな土の粒子と粒子が適度にくっついた団子をいくつも形成している状態で、なぜこれが良いかといいますと、団子と団子の隙間に水分が流れてくれるからなんですね。

植物は基本、土中の水分に溶けている養分や酸素しか吸収できませんので、栄養摂取も呼吸のための酸素摂取も、土中の水分を根っこが吸い上げやすいような環境で無かったら、ストレスが掛かってしまう訳なのです。

これらを踏まえて、今回は根っこ周りの環境を整えてあげるのが主目的になります。
まずは水分を上げやすい土を周りに作るのが先決なんですね。
間違っても化成肥料とかをガンガン施肥するというようなことは避けてください。
化成肥料は根っこにあたると悪影響がありますし、そもそも病人にサーロインステーキを与えても元気にならないのと同じ理屈です。

浜松市天竜区Y様3

こちらは最初にご紹介したナンテン。
樹木自体が小さいので、一度掘り上げて土の環境を整えてから再度植え込みました。
予想通り、根っこの伸びはあまり良くなかったので、こうやって掘り上げた際に根っこの先端を鋭利な刃物で(この場合はハサミで)スパッと切っておくと後々の発根がキレイに行ったりします。

根っこと土の塊の事を根鉢(ねばち)というのですが、根鉢と幹や枝葉とのバランスを見ると植え込みをした後に倒れる心配はなさそうだったので、支柱はナシで植栽しました。

浜松市天竜区Y様3

こちらはヒイラギ。
重量もあるので持ち上げる事はせず、根鉢周辺の根っこを一度きれいに整理して発根を促し根っこ周辺の土を多めに盛り付け、根っこを乾燥から守るようにしました。

ヒイラギに関してはお金を掛ければ掛けるほど、もっと効果的な施工もできるのですが、まあそこはご予算とのバランスもありますし、だいたいこのくらいかなーという落としどころにしました。

あとは経過観察。植栽工事を行った際は、3か月後6か月後、1年後と定期的に巡回を行うようにしていますので、今後の育成状況を見守りたいと思います。

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