2018年10月22日
庭の完成写真を見てもらうとリアクションが薄いんですね。
あれ?何だか物足りない・・・って。

これが造園が他の建設業と異なる部分なんですね。
植物は生きているので成長します。ゆえに、その成長を見越した植栽配置にしないと、3年もすると植栽が多くなりすぎて何だか狭く暑苦しい庭になってしまうんですね。
この庭も生きた植物を使っているので、出来上がった瞬間のインパクトではなく、長い月日を掛けて成長していった後の方が重要なのです。
上の写真は4月上旬ですがそこから1ヶ月ちょっと経つと・・・

アサギリソウが目立って成長してきました。
マンネングサも地面を覆いはじめていて、苔が育ちにくいここ遠州の地で、舩越造園のコンセプトである「美しい日本の時間」のうちのひとつ「積み重なる時間」を演出してくれています。

そしてさらに1ヶ月。アサギリソウの幻想的な色が強く出てきています。
仕込んでおいた他の植物も色々と顔を出していますね。
ただ、ドクダミの繁殖力には閉口しています・・・強いですねぇ・・・
こうして、お客様にこまめにメンテナンスして頂く事で、素晴らしい庭へと変貌を遂げていくのです。
造って完成する庭は、完成した瞬間から劣化が始まるのですが、このように植物を育てる庭は、徐々に仕上がっていく楽しみを得られるのです。
日陰の北側坪庭、(庭屋からのバトンタッチという意味で)完成です。
2018年10月15日
いよいよ仕上げの工事に入っていきます。

マンネングサをどんどん植えていきます。
この庭のポイントとなる重要な植物ですので、シッカリ数を植えていきます。

これで一応当初予定は完成です。
その後、お客様から足の踏み場を確保したいというご要望を頂いたので、有り合わせですが飛石を打ちます。

何かの本で読んだのですが「飛び石とは人が自然に最も配慮した通路である」というようなことが書かれていて、納得したのを覚えています。
確かに、通路全体が舗装されている必要は全く無く、足を踏み出して着地するそこだけが舗装されていれば通路として成立している訳です。
しかし、足運びのリズムを理解していないと非常に歩きにくい通路になってしまい、それを実現するには多くの経験を要するのだと思います。
2018年10月12日
それでは、メインの植栽に入っていきます。

まずはしっかりと土を入れていきます。
多少、盛土を設けたりしますが基本的にはなだらかな造成です。

これはアサギリソウです。
グランドカバーにしては背丈のある感じに成長しますし
シッカリ育成できれば美しい幻想的な白銀の葉が展開すると思います。
上手く行ってくれー!

こちらはマンネングサ。
薄い植栽基盤(というか植栽基盤が不要というか・・・)で育成できます。
まだ謎も多く、実験の意味合いも強いので、お施主さんの理解が必要ではあるのですが、私の設計する庭には欠かせないアイテムになってきています。
2018年10月01日

配管をかわしながら瓦の縁石を入れていきます。
室外機やポンプなどでゴチャゴチャしがちなこのスペースは、もう思い切って庭とは別の空間として切り取ってしまった方が違和感無くできる場合もあります。
といってもトリミングはできませんので、異空間感を出すために何かで仕切って色もガラッと変えたスペースにする方法を採りました。

お客様がストックしている瓦もふんだんに使います。
面白い縁取りができました。

ヤバイくらいにドクダミの根が蔓延っていた部分は防草シートを敷きました。
じゃあそれでどうするかというと

防草シートの上に改めて庭土をのせます。
これで、ドクダミの繁殖がかなり抑える事ができると思います。
壁や瓦の裾部分は難しいですが、上に植える植物のチョイス次第ではかなり効果的だと思います。
2018年09月25日
庭造りをしていてよくあるのが埋設されている何らかのパイプと造園の構造物が干渉してしまう事です。

ズバッとしっかり干渉しています。まあ横断するのは干渉も一瞬なので割と何とかなるのですが・・・

浄化槽のコンクリート沿いに土留めを施工しようと思っていたらこの状況。
諦めてパイプを避けて建物側へ土留めを設置するしかありません。

マンホールの位置で事前に有りそうな事は分かっていても正確な位置までは分かりませんので、実際に掘ってみてこんな所に!?というのはあります。
できるだけ設計の段階で調査をすればいいのですが、拝観の図面が残っているお客様は少なく、残っていても掘ってみたら全然違うルートだったというのも稀にあります。
設計と極力変わらないレイアウトを維持できるように現場の担当者と話し合い、作業を進めていきます。