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有限会社舩越造園

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施工事例(進捗状況)

現場進捗日誌 浜松市北区T様

今回は作庭というより縮庭とでもいいましょうか。
庭の植栽部分を減らして駐車スペースを広くしたいという今流行りの庭工事を取り上げたいと思います。

庭には安らぎがあります。
その安らぎを空間に表現することこそ、私たちのするべき事、いわばミッションというのか理念というのか、そういう根っこの部分になってくると思うんですね。
その庭が原因で、家族の中に暗雲が立ち込めたり、悩みが増えたり、ネガティブな事が起こってしまうのは私たちの本意ではないはずです。

「庭を小さくしたいのだけど」そういったご相談をいただいたときは、しっかりその理由をヒアリングさせていただきます。もちろん、そこまでしてしまうと逆に行きすぎて庭から得られる安らぎすらも失われてしまうな、と感じた時は遠慮なくご意見申し上げていますが、これは庭を縮小しないとご家族の安らぎそのものが失われてしまうと感じた時は、躊躇なくそのご意見に賛同し、どうやったら最適解を得られるのか?という落とし所を探すのに全力を注がせていただいています。

浜松市北区T様

駐車スペースが足らない。門被りのマツが不要。大きめの木は不要。垣根は不要・・・数え上げればキリのない庭縮小のお話ですが、これが無くなるとこういう事が起こりますよ、それよりこうしたらどうでしょうか?というお話をさせていただきつつ、縮庭の良い落とし所を探る事ができました。

浜松市北区T様

夏の繁忙期を挟んでいたお話でしたので、まずは何はともあれ剪定です。
門被りのマツはこの時に伐採してしまいました。
庭の全容が見えてきてどう縮小したらいいか?考えがまとまりました。

浜松市北区T様

庭の角を占め枝葉を大きく伸ばしていた庭木を撤去し、空いたスペースを詰め、元々縁石に使われていた石を再利用しました。
これだけでもかなり広くなったのではないかと思います。

浜松市北区T様

元々飛び石と砂利のスペースは、概ねそのまま置く事にしました。
手前の砕石スペースとの境目は小さな石で切り分けたので段差が小さく、いざとなったら(人を寄せるなど車が一時的に増えるタイミングなど)ここにも車を入れられるようになっています。

あとは砕石が馴染んでくれば雨天の汚れも無くなります。
庭の縮小は、正直いえばあまり気が進まないのですが、お客様の心の安らぎを得ていただくという大義の前には、私たち業者視点の自己満足などとるに足らない問題です。本当に大事なのは、庭から何を得ていただけるのか?それに尽きるんじゃないかなと感じています。

浜松市北区T様

ところで、最後にちょっとお客様のオーダーとは違う作業をひとつ。
庭の入り口で幅を利かせていたマツですが、お客様のオーダーでは伐採抜根だったのですが、掘削のための重機も現場に入れましたし、かかる手間はそんなに変わらないだろうということで、掘り取って持ち帰る事にしました。

もちろん、転売する先など全く決まっていませんし、これからの庭園事情を考えると売れ残ってしまう可能大ですが、あまりに忍びなくて...庭の片隅に植えておこうかと思います。

現場進捗日誌 浜松市中区S様6

それでは、完成したS様邸のお庭の全貌をご紹介します。

浜松市中区S様6

庭への入り口は東側と西側の2ヶ所あり、こちらは東側の入り口です。
バックホウではビクとも動かない巨大な石を転がった姿勢そのままで庭への入り口ステップとして使いました。どうでしょうか?違和感ないと思います。
今そこにあるどうしようもない条件を上手く利用して庭に活かすのも、年季の入った庭屋さんならではじゃないかなと思います。

奥へ入っていく通路は、あられこぼしという石畳の手法で、一見して安定感があまりないような造りになっています(実際は石がもげてしまうようなことはないですよ)。人は不安定そうな足場の時は目線が下に向くので、奥へ歩いていく際に正面にある隣家の物置などに目が行きにくいような狙いがあります。

浜松市中区S様6

同じ入り口から入って右に振り向くと庭門へ向かう道があります。
こちらは逆に伸び伸びと歩いていただきたいので、平石も使った一見して歩きやすい石畳になっています。庭門をくぐってその奥には何があるんでしょうね?

浜松市中区S様6

庭の奥まで突き当たって西を向けば、三和土に似た土舗装と呼ばれる通路になっています。砂を平らに均す程度の技術力と水やりのタイミングを逃さない時間配分ができさえすれば、比較的簡単に作ることができますので、案外素人の方も気軽に作業できちゃうのかもしれませんね。今回は予算配分を決めるにあたり、奥の通路は簡素化を目指しましたので、メリハリを持って各通路の工法をチョイスしました。

浜松市中区S様6

そして前回ご紹介したモミジ並木へと繋がっていきます。
陽の光を浴びて木漏れ日が眩しい感じもいいなぁと思ってしまいました。
我が家にもほしいです(笑)

浜松市中区S様6

オリジナル板塀も植栽と相まって良いバランスを見せ始めています。
これからもっと良くなってくれると感じました。

今回は概ねのご予算はあるものの、ほぼ全てお任せという大変楽しい庭づくりをさせていただきました。
ただ楽しいだけではなく、お任せいただいた責任を感じ、少しでも良いものを!と毎日何か工夫を重ねるというお任せならではの品質の高め方を実施いたしました。

おかげでとても良い庭になったと感じていますし、お客様にも大変喜んでいただいているので、庭屋冥利に尽きるなと思います。

現場進捗日誌 浜松市中区S様5

今回は少し趣向を凝らした紅葉の並木道の策定風景をお届けします。

浜松市中区S様5

パースでお客様にお伝えしたイメージです。
こんなに紅葉しませんが、あくまで脳内イメージということでご勘弁下さい(笑)
木曽石というゴツゴツ感がありながらも丸みを帯びた自然石の石畳の左右に紅葉の並木があって、歩くのが楽しくなる趣向です。

浜松市中区S様5

まずはモミジを選んでおきます。
並木に似合うような株立ちの数が多過ぎない木を選んでいきます。
先に選んでおくと価格も掴めるのでお客様にとってもメリットです。

浜松市中区S様5

そして庭造りも進んだところで石畳の作庭。
まずはスタートとゴールの石を据えておきます。
石畳の輪郭も同時に掴んでおきます。

浜松市中区S様5

配置を意識しつつ石を並べていきます。
輪郭から決めていくのが一応セオリーと言われています。
大小様々な石を入れる際は大きい石から据えていくのですが、サイズ感が同じものを使う場合は、この手順の方が結果的に良い石畳(延べ段と言いますが)になります。

浜松市中区S様5

大方据え終わりました。あとは打目詰めを行えば完成ですね。
工事を行うにあたり、在庫している石だけでは心許ないかなと感じたので「新しく材料を仕入れようか?」と担当職人に聞いたところ「いえ、大丈夫です。在庫でできます。」との心強い言葉。経営者としてありがたい言葉でした...

浜松市中区S様5

現場のバランスを見ながらモミジを植えていきます。
植えてすぐは根っこが不安定で枯れやすいので、竹で支柱をします。
並木道の支柱はなかなか邪魔になって難しいものですが、こうやって支柱をしてあると、その支柱すらも一つの景色になりますね。

浜松市中区S様5

良いですねぇ。
実際、お客様もお気に入りのエリアになったとおっしゃって頂けて、作庭者冥利に尽きます。

浜松市中区S様5

下草もあしらっていきます。これでほぼ完成です。

浜松市中区S様5

素朴で良い感じの並木道になりました。
奇をてらった庭はあまり好きではありません。毎日目に入ってくる庭は素朴でも変化に富む庭であってほしいです。

モミジは春の力強い新緑、夏の旺盛な生命力、秋から冬にかけての紅葉と落葉。四季を感じることのできる素晴らしい庭木です。

こんなにたくさんのモミジを植えるお庭は稀だとおもいますが、とても使い勝手も良く枯れにくく、四季を感じられるお得な庭木なので、ぜひお庭に取り入れてみてはいかがでしょうか?

素朴でかっこいいお庭の提案、いたしますよ?(笑)

現場進捗日誌 浜松市中区S様4

今回は庭門や塀について書きたいと思います。

造園工は多能工と言われますが(多能工なのは庭屋だけじゃないぞ!って?まあそうおっしゃらず・・・)様々なスキルを駆使して庭づくりを行っています。

植物の剪定や病害虫、掘ったり植えたり、石を積んだり並べたり、時に芸術的に。
竹を切ったり割ったり結んだり、大工みたいなことだってやったりします。

庭門と塀は木工がメインの仕事です。

浜松市中区S様4

雨の日なんかを利用して、新しいモノを試してみたりします。
今回、お庭で採用した塀の試作段階です。まあ色々と見えちゃってますが、試作という事でご勘弁を。

浜松市中区S様4

現場の石工事が概ね終わったら、塀の位置を決めていきます。
ここで図面通りに狂いなく・・・というのは設計者のエゴです。
現場に上手く馴染むように現地でしっかり位置出しを行って決めなければいけません。
コンベックス(メジャーですね)がいつも大活躍します!

浜松市中区S様4

位置が決まったら柱を埋けて、胴縁も渡します。
これでおおよそ塀の良し悪しが分かりますね。引き返すなら今ですが今回は上手く決まりました。

浜松市中区S様4

板を貼っていきます。
ここまでくるとTHE塀!という感じも出てきますね。
良いテクスチャになっていると思います。

浜松市中区S様4

塀の屋根部分を製作して完成です。
今回は瓦を使ってみました。
足もとの東栄石積みといぶし銀の瓦が良い感じになったのではないかと思います。

浜松市中区S様4

植栽をあしらって、塀の完成。
塀の面を見せたかったので、割と密にならないドウダンツツジをあしらいました。
ドウダンツツジは特に水を欲しがる植物ですので、水遣りのタイミング目安にも使っていただけます。

ドウダンツツジの根元にはフウチソウ。
ドウダンは枝が上がって足もとが丸見えになってしまいがちなので、フウチソウでボリュームを付けたいと思います。
冬は枯れますのでドウダンに寒肥をやりやすい仕様になっています(笑)

現場進捗日誌 浜松市中区S様3

今回は唯一移植をせずにその場に残したソテツ周りについてお話ししたいと思います。

浜松市中区S様3

ソテツの移植はなかなか作業的に手間が掛かるので、現状の状態で庭に活かしていこうという試みです。とりあえず、第1回目の報告ブログの際にもソテツのみ固定した状態のほぼ白紙から庭のデザインを起こしたので、ひょっとしたらソテツがデザインの軸になったのかもしれません。

浜松市中区S様3

あらかた造成も終わり、ソテツ周りの詳細について決めていかなければいけない時が来ました。
既存の庭石が多くありますので、これを利用して行きたいと思います。
もっとも、ソテツを主役にして庭のシンボルにするというよりも、庭の一部として溶け込ませるような使い方をしたいと思っているので、できるだけ周囲に色々配置していく方針です。

  • 浜松市中区S様3
  • 浜松市中区S様3

今後の方針について職人と現場で打ち合わせ。ここでも大活躍のiPadです。
築山のように盛り上がった頂上から突き出るような形でソテツが植えられていますから、その勢いというか違和感を軽減させるために根元に石組を施工します。

足もとに硬質な石が複数据えられていることで、ソテツの上へ広がる違和感を重量感でつなぎとめるようイメージを伝えました。

  • 浜松市中区S様3
  • 浜松市中区S様3

石を据え終わったところです。石も含めてひとつの「景」を形成したので、ソテツの違和感を緩和できていると思います。ただ、まっすぐ伸びていないので、その違和感だけは強烈に残ってしまいますが、これはどうしようもないですね。他の植栽や添景物などとセットで緩和させたいと思います。

浜松市中区S様3

行の延べ段という石畳と盛り上がっているソテツの足元の土の間の距離が少ないのでピンコロと呼ばれる御影石の角石を土留めに据えました。
これは現場からのアイディアです。いいですね。お任せ造園は、このように施工しながらより良いものを取り入れていけるのでとても好きな施工方法です。(ただ、私と職人との相性もあるので、相性の悪い職人や打っても響かない職人とは絶対やらないですけど・・・)

ちなみに奥に写っている職人は石畳の水平を感じ取っているのであって、決して腕立て伏せをしているのではありませんので、あしからず。(腕立てしている可能性もありますが)

浜松市中区S様3

庭門や灯篭なども入って随分にぎやかになってきました。
恐らく、この写真を見た時に、最初にソテツに目が行った方はほとんど居られないかと思います。馴染むとは、つまりそういう事だと私は感じています。

浜松市中区S様3

さあこれで完成です。
盛り上がっている植え込み位置、斜めになっている樹形、なかなか難儀しましたが庭の「景」として馴染ませることができたのではないかと思います。

今あるものを最大限生かした庭造りは、多彩な業務アイディアの引き出しがある創業60年の舩越造園にお任せください。

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