引き続きM様邸の造園工事です。
今回は敷地への入口であるスロープ部分を取り上げます。
お客様のご要望もあって、こちらはピンコロ舗装となりました。
ピンコロ舗装とは、正方形状に加工された小型の石材(一般的に御影石など)を、ひとつひとつ敷き詰めて仕上げる舗装方法です。
石のサイズは約90mm角が主流で、自然な風合いや高級感、耐久性に優れ、車両の通行にも耐えられます。
庭やアプローチ、駐車場などでよく用いられ、目地の取り方や色の組み合わせにより多彩なデザイン表現が可能です。
自然素材ゆえに経年変化も味わいとなり、景観調和に優れた舗装手法です。

まずはシッカリ基礎コンクリートを打ちます。
ここで手を抜くと、仕上がった瞬間はきれいでも出入りする車両の重みで次第に凹凸ができて、目地が割れ、みすぼらしい結果になってしまいますので。ピンコロで根本的な強度を出すのではなく、テクスチャに使うくらいの気持ちで手堅く施工します。

一度列とパターンを決めたらそのまま並べ続け・・・という単純な話にはならないんですね。
真っ直ぐ並べているつもりでも、何故か曲がる。波を打つ。ですので、シッカリ基準を出しつつ、個々のピンコロの微妙なサイズの違いを意識しつつ目地を調整して並べていきます。
現場の数字上で真っ直ぐではなく、見た感じ真っ直ぐ。
これがキレイに仕上げるポイントだなと感じます。

並べ終えたピンコロとピンコロの隙間(目地)に更にモルタルを詰めていきます。
これも大切なポイントで、ピンコロは自然石なのでその性質上、側面の中央が孕んでいたりします。
そうなると、モルタルがしっかり目地の最深部まで入り切っていない事もあったりして、強度に多大な影響を与えてしまいます。
そうならないように、慎重にかつ早く目地を埋める事が肝要です。

ピンコロ舗装の完成です。
いくら下地にコンクリートを打ったとはいえ、やはり養生期間が必要ですので、しばらく車両の乗り入れは遠慮して頂きました。
じゃあ半分づつやって車両が入れるようにしたら?というご意見も頂きますが、右と左を繋ぐ接合部分はどうしても弱くなってしまいますし、左右2期に分ければ、それだけ準備と片付けの経費は倍掛かる事になるので、本当にやむを得ない事情が無い限り、一度の施工してしまう事をお勧めします。


養生も終わって、雨も上がって、これで完成です。
細かい仕事は見た目の力強さが違いますね。
コンクリートの土間打ちとは一線を画していると思います。
頑張って並べた甲斐が有りました。
職人の皆さん、お疲れさまでした。




