玄関へ向かうアプローチの次は、庭の中へと入っていくための通路です。
距離が長くなるので、途中の中継点を挟んで、パターンを変えた通路にする事にしました。

中継点まで、御影の棒石を下駄のように並べていきます。これが通路のメインです。
目立つ白御影を等間隔で並べる事で、奥へと続いている事を暗にお知らせします。

御影棒石の枠から概ねハミ出さないよう、川石を入れていきます。
川石は丸みを帯びた尖りの無い石で、目が詰まっていて比重も重いのが特徴です。
一石で平らな面を出すのは難しいのですが、何石か並べる事で、平面を演出できます。
同じくらいのサイズを使いながらも、御影石に沿っている部分とそうでない部分と、形状を変えながら使っていることにお気づきでしょうか?
こういう細かい気遣いが、通路の見た目を一段良くし、その積み重ねが庭の見た目を非常に良くするのです。

川石は底面もまた丸みを帯びていて非常に不安定な石なので、その安定性を高めるために、そして無駄な雑草が生えるのを抑えるために、土舗装という薬品と水で土を固める製品を使って、固定しておきます。
実はこの仕事、最終的には全く見えなくなります。
全然見栄えのしない仕事なのですが、手を抜かないのが庭職人ですよね。
お陰で見積金額が相対的に高くなり、価格競争ではいつも負けてしまいます・・・
当社の仕事を信頼してくれるお施主だからこそ、その期待に応えたいという職人の気概が共鳴して、良い仕事になるんだなと痛感します。

通路脇をタマリュウという地被植物で固めます。
これで、通路にメリハリも出ますね。
庭造りで案外難しいのが、この輪郭線です。
全く違う物質が隣り合うので、その境目は自然でありつつ明確でなければいけません。
設計時のポイントかなと感じる部分です。

砂利を敷けば・・・延段(のべだん)の完成です。
延段というのは点々と歩く場所のみを舗装する飛石と違って、面で通路を確保する造園用語で、使う素材やパターンなど様々なものがあります。
加工されていない石だけで構成された「草(そう)」逆にきれいに加工された石だけで構成された「真(しん)」その中間の「行(ぎょう)」の延段は、加工された御影棒石と丸い川石で構成されているため、行の延段ということになります。
丸みを帯びた石だけに、その歩きやすさと見た目のバランスは非常に難しく、簡単そうに見えて、実は年季の入った仕事です。
次回は、この最後の写真にチラ見えしているこの先の通路についてお話ししたいと思います。




